「うちには無理」と思っていたLPやLINE連携を、結局は自分たちで作った
正直に言うと、最初は外注するつもりだった。
「LINEで頼むだけで、AIが色々やってくれるサービス」を作ろうと思ったとき、真っ先に頭に浮かんだのは制作会社への見積もり依頼だった。LP制作でいくら、LINE公式アカウントとの連携でいくら、問い合わせ管理の仕組みでいくら――足し算していくと、サービスを始める前から結構な金額になる。しかも納期は1〜2ヶ月。
「これ、自分たちでAIを使って作れるんじゃないか」
そう思い立ったのが、AI代行堂という会社の実質的なスタート地点だった。私たちは「AIを使った代行サービス」を売りながら、そのサービス自体をAIで作るという、ある意味当たり前で、ある意味ねじれた進め方を選んだ。今日はその中身を、脚色なしで書いておきたい。
LPは「発注書」を書く感覚で作った
LP(ランディングページ)を作るとき、多くの人は「デザイナーに何を伝えればいいか分からない」で止まる。私たちも同じだった。ただ、AIに向き合うときは発注書代わりに使える。
やったことはシンプルで、まず「誰に」「何を」「いくらで」「なぜ他と違うのか」を箇条書きで整理した。ここは人間がやるしかない部分だ。AIは魔法ではないので、こちらの頭が整理されていないと、出てくる文章もふわっとしたものになる。
その箇条書きをAIに渡し、構成案→見出し→本文という順で叩き台を作ってもらい、実際の言葉遣いや温度感は自分たちで直していく。この「叩き台をAIに作らせて、仕上げを人がやる」という役割分担が、思った以上にコストと時間を圧縮した。デザインもコーディングも、AIに具体的な指示を出しながら進めれば、外部に発注するよりずっと速く形になる。
大事なのは「AIに丸投げする」のではなく「AIを部下のように使う」という発想の転換だった。指示が曖昧なら曖昧な成果物しか返ってこない。これは人に仕事を頼むときと全く同じ理屈だ。
LINEの問い合わせを、人力の伝言ゲームにしない仕組み
サービスの心臓部とも言えるのが、LINEで来た問い合わせをどうさばくかという部分だった。
最初は「LINEに来た連絡を、誰かが見て、誰かに振る」という運用を想像していた。だがこれは属人化する。担当者が忙しいと止まるし、誰が対応中かも分かりにくい。
そこで作ったのが、LINEの問い合わせを自動的にDiscordというチャットツールに集約する仕組みだ。LINEに連絡が入ると、その内容がDiscord上のチャンネルに流れる。スタッフはそこで「これは自分がやります」と手を挙げ、そのままスレッド上でお客様とのやり取りを進める。
この仕組みのポイントは、担当を決める会議もマネージャーの采配も要らないという点にある。誰が空いているかは本人が一番分かっているので、早い者勝ちで手を挙げる方が現場に無理がない。結果として、対応の抜け漏れと二重返信の両方が減った。
こうした連携も、ゼロから開発したわけではなく、既存のツール同士をAIの支援を受けながらつなぎ合わせて作った。専門のエンジニアが何ヶ月もかけて作るようなシステムを、既存のサービスの組み合わせと数日の試行錯誤で近い形にできる時代になっている、というのが正直な実感だ。
1年分のSNS投稿を、先に作ってしまうという発想
SNS運用で一番しんどいのは「今日何を投稿しよう」を毎日考えることだと思う。この日々の負担が積み重なって、結局更新が止まる会社を何社も見てきた。
私たちが選んだのは、逆転の発想だった。毎日考えるのをやめて、1年分の投稿ネタと文章をまとめてAIに作ってもらい、それを自動で毎日投稿する仕組みに乗せる。
もちろん一発で完璧な原稿ができるわけではない。テーマの方向性、トーン、避けたい表現などをAIに伝えた上で、大量に叩き台を出してもらい、明らかにおかしいものだけ人間が直すという流れにした。1年分をまとめて作ることで、毎日の「今日は何を書こう」という意思決定コストがゼロになる。これは地味だが、運用を止めないという一点において効果が大きかった。
アクセス解析も、高機能なツールより「見たい数字だけ」
サイトのアクセス状況を見るために、最初は世の中でよく使われている解析ツールの導入も検討した。ただ触ってみると、見たい数字にたどり着くまでに階層が深く、多機能すぎて逆に使いこなせないと感じた。
そこで、専用の解析ツールを入れる代わりに、自分たちが本当に見たい数字(どのページが読まれているか、どこから来ているか程度)だけを軽く記録する仕組みを自前で用意した。大掛かりな分析基盤ではなく、必要最低限を素早く見られる形にしただけだが、日々の運用ではこれで十分だった。「多機能なものを我慢して使う」より「必要な分だけ作る」方が、結局長く使い続けられる。
「作れる」と気づくと、外注の意味が変わる
一通り自分たちで手を動かしてみて感じたのは、これまで外注する以外の選択肢がなかった作業の多くが、実は「AIに具体的な指示を出せる人」がいれば内製できてしまうということだった。
もちろん、すべてを自社でやれというわけではない。専門知識が必要な領域や、時間をかけてでも品質を突き詰めたい部分は、専門家に任せる方がいい。ただ、LPの叩き台、問い合わせ対応の仕組み、SNSの原稿、簡易な集計――こうした「まずまずの品質で、早く形にしたい」類の作業は、AIと向き合う時間さえ確保できれば、想像以上に自分たちの手元で完結する。
まとめ
AI代行堂という会社自体が、この記事に書いたような試行錯誤の積み重ねでできている。LPも、問い合わせの仕組みも、SNS運用も、解析も、外部の大きなシステムに頼らず、AIを使って自分たちで組み立ててきた。
とはいえ、これを読んで「じゃあ自分でもやってみよう」と思っても、日々の本業がある中でAIと向き合う時間を捻出するのは簡単ではない。何を伝えればAIが望み通りに動くのか、その勘所をつかむまでにも時間がかかる。
そういう「分かってはいるけど手が回らない」という部分を、LINEで頼むだけで巻き取るのがAI代行堂の役目だ。料金は月額5万円(税抜)とAIクレジットの実費のみで、初回は1点無料で試せる。自分たちで実際に作り、運用してきたからこそ、どこを内製化してどこを任せるべきか、その線引きも含めて相談に乗れる。
